VercelでAIアプリを構築! 初心者向けステップバイステップガイド

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目次

  1. はじめに:VercelでAIアプリを構築するメリット
  2. 必要なもの:開発環境の準備
  3. AIモデルの選択とAPIキーの取得
  4. Vercelプロジェクトの作成
  5. AIモデルとの連携:APIリクエストの実装
  6. ユーザーインターフェース(UI)の構築
  7. Vercelへのデプロイ
  8. まとめ:AIアプリ開発の次のステップ

1. はじめに:VercelでAIアプリを構築するメリット

Vercel(バーセル)は、Webサイトやアプリケーションを簡単にデプロイ(公開)できるプラットフォームです。特にAIアプリ開発において、Vercelは以下のようなメリットを提供します。

  • 簡単なデプロイ: 複雑な設定なしに、数クリックでアプリを公開できます。
  • 自動スケーリング: アクセス数の増加に合わせて、自動的にサーバーの性能を調整してくれます。
  • サーバーレス関数: バックエンドの処理を、サーバーを気にせずに実行できます。
  • グローバルCDN: 世界中にコンテンツを配信し、高速な表示を実現します。

これらのメリットにより、開発者はAIモデルの構築やUIのデザインに集中でき、より効率的にAIアプリを開発できます。

2. 必要なもの:開発環境の準備

AIアプリ開発を始める前に、以下のものを準備しましょう。

  • Node.js: JavaScriptの実行環境です。VercelはNode.jsをサポートしています。(推奨バージョン:16以上)
  • npmまたはYarn: Node.jsのパッケージ管理ツールです。ライブラリのインストールや管理に使います。
  • Vercel CLI: Vercelのコマンドラインツールです。ローカル環境からVercelにデプロイする際に使用します。
  • テキストエディタまたはIDE: コードを書くためのツールです。Visual Studio Codeなどがおすすめです。
  • Vercelアカウント: Vercelのプラットフォームを利用するために必要です。無料で登録できます。

これらのツールをインストールし、Vercelアカウントを作成したら、開発環境の準備は完了です。

3. AIモデルの選択とAPIキーの取得

AIアプリの中核となるAIモデルを選びましょう。ここでは例として、OpenAIのGPT-3(Generative Pre-trained Transformer 3)を使用します。GPT-3は、自然言語処理(NLP)タスクに優れた性能を発揮する大規模言語モデルです。

  1. OpenAIアカウントの作成: OpenAIのウェブサイトでアカウントを作成します。
  2. APIキーの取得: OpenAIのダッシュボードでAPIキーを取得します。APIキーは、あなたのアプリがOpenAIのAPIにアクセスするための認証情報です。

注意: APIキーは厳重に管理し、GitHubなどの公開リポジトリに公開しないように注意してください。環境変数(後述)を利用して、安全にAPIキーを管理しましょう。

4. Vercelプロジェクトの作成

Vercelで新しいプロジェクトを作成します。

  1. Vercel CLIのインストール: ターミナルで以下のコマンドを実行します。
  2. npm install -g vercel
  3. プロジェクトの作成: 任意のディレクトリで以下のコマンドを実行し、Vercelにログインします。
  4. vercel login
  5. プロジェクトの初期化: 以下のコマンドを実行して、新しいプロジェクトを作成します。
  6. vercel init

プロジェクトの種類を選択するプロンプトが表示されるので、適切なものを選択してください(例:Create a new project -> Next.js)。

5. AIモデルとの連携:APIリクエストの実装

AIモデル(ここではGPT-3)と連携するために、APIリクエストを実装します。Next.jsのAPI Routesを利用して、バックエンドの処理を実装しましょう。

  1. API Routeの作成: pages/apiディレクトリに、API Routeのファイルを作成します(例:pages/api/generate.js)。
  2. APIリクエストの実装: generate.jsに、GPT-3にリクエストを送信し、レスポンスを返すコードを記述します。
  3. import { Configuration, OpenAIApi } from "openai";
    
    const configuration = new Configuration({
      apiKey: process.env.OPENAI_API_KEY, // 環境変数からAPIキーを取得
    });
    const openai = new OpenAIApi(configuration);
    
    export default async function (req, res) {
      if (!configuration.apiKey) {
        res.status(500).json({
          error: {
            message: "OpenAI API key not configured, please follow instructions in README.md",
          }
        });
        return;
      }
    
      const animal = req.body.animal || ''; // リクエストボディから動物の名前を取得
      if (animal.trim().length === 0) {
        res.status(400).json({
          error: {
            message: "Please enter a valid animal",
          }
        });
        return;
      }
    
      try {
        const completion = await openai.createCompletion({
          model: "text-davinci-003", // 使用するGPT-3のモデル
          prompt: generatePrompt(animal), // プロンプトを生成
          temperature: 0.6, // 生成されるテキストのランダム性
        });
        res.status(200).json({ result: completion.data.choices[0].text }); // 結果をJSON形式で返す
      } catch(error) {
        // Consider adjusting the error handling logic for your use case
        if (error.response) {
          console.error(error.response.status, error.response.data);
          res.status(error.response.status).json(error.response.data);
        } else {
          console.error(`Error with OpenAI API request: ${error.message}`);
          res.status(500).json({
            error: {
              message: 'An error occurred during your request.',
            }
          });
        }
      }
    }
    
    function generatePrompt(animal) {
      const capitalizedAnimal =
        animal[0].toUpperCase() + animal.slice(1).toLowerCase();
      return `Suggest three names for an animal that is a superhero.\n\nAnimal: Cat\nNames: Captain Sharpclaw, Agent Fluffball, The Incredible Feline\nAnimal: Dog\nNames: Ruff the Protector, Wonder Canine, Sir Barks-a-Lot\nAnimal: ${capitalizedAnimal}\nNames:`;
    }
    

    コード解説:

    • OpenAIApi: OpenAIのAPIを呼び出すためのライブラリです。
    • process.env.OPENAI_API_KEY: 環境変数からAPIキーを取得します。
    • openai.createCompletion: GPT-3にリクエストを送信します。
    • generatePrompt: GPT-3に送信するプロンプトを生成します。
  4. 環境変数の設定: Vercelのダッシュボードで、OPENAI_API_KEYという名前の環境変数を設定し、取得したAPIキーを値として設定します。

6. ユーザーインターフェース(UI)の構築

ユーザーがAIアプリと対話するためのUIを構築します。ここでは、簡単なフォームを作成し、動物の名前を入力してGPT-3にリクエストを送信するUIを実装します。

  1. UIコンポーネントの作成: pages/index.jsに、UIコンポーネントを作成します。
  2. import { useState } from "react";
    
    export default function Home() {
      const [animal, setAnimal] = useState("");
      const [result, setResult] = useState("");
    
      async function onSubmit(event) {
        event.preventDefault();
        try {
          const response = await fetch("/api/generate", {
            method: "POST",
            headers: {
              "Content-Type": "application/json",
            },
            body: JSON.stringify({ animal: animal }),
          });
    
          const data = await response.json();
          if (response.status !== 200) {
            throw data.error || new Error(`Request failed with status ${response.status}`);
          }
    
          setResult(data.result);
          setAnimal("");
        } catch(error) {
          // Consider implementing your own error handling logic here
          console.error(error);
          alert(error.message);
        }
      }
    
      return (
        <div>
          <main>
            <h3>動物の名前を入力してください</h3>
            <form onSubmit={onSubmit}>
              <input
                type="text"
                name="animal"
                placeholder="例:猫"
                value={animal}
                onChange={(e) => setAnimal(e.target.value)}
              />
              <input type="submit" value="名前を生成" />
            </form>
            <div>{result}</div>
          </main>
        </div>
      );
    }
    

    コード解説:

    • useState: Reactのフックで、コンポーネントの状態を管理します。
    • fetch: API Routeにリクエストを送信します。
    • onSubmit: フォームが送信されたときに実行される関数です。

7. Vercelへのデプロイ

作成したAIアプリをVercelにデプロイします。

  1. デプロイ: ターミナルで以下のコマンドを実行します。
  2. vercel
  3. デプロイの確認: デプロイが完了すると、VercelからURLが提供されます。このURLにアクセスして、AIアプリが正常に動作することを確認してください。

8. まとめ:AIアプリ開発の次のステップ

この記事では、Vercelを使ってAIアプリを構築する基本的な手順を解説しました。

  • VercelはAIアプリ開発に最適なプラットフォームである。
  • OpenAIのGPT-3などのAIモデルを利用することで、様々なAIアプリを開発できる。
  • Next.jsのAPI Routesを利用して、バックエンドの処理を実装できる。
  • Vercel CLIを使って、簡単にアプリをデプロイできる。

次のステップとして、以下のことに挑戦してみましょう。

  • より複雑なUIを構築する。
  • 他のAIモデル(例:画像生成AI)を試してみる。
  • データベースと連携して、データを保存する。
  • ユーザー認証機能を実装する。

AIアプリ開発は、創造性と技術力を活かせる魅力的な分野です。Vercelを活用して、あなた自身のアイデアを形にしてみましょう!