VercelでAIアプリを構築! 初心者向けステップバイステップガイド
目次
- はじめに:VercelでAIアプリを構築するメリット
- 必要なもの:開発環境の準備
- AIモデルの選択とAPIキーの取得
- Vercelプロジェクトの作成
- AIモデルとの連携:APIリクエストの実装
- ユーザーインターフェース(UI)の構築
- Vercelへのデプロイ
- まとめ:AIアプリ開発の次のステップ
1. はじめに:VercelでAIアプリを構築するメリット
Vercel(バーセル)は、Webサイトやアプリケーションを簡単にデプロイ(公開)できるプラットフォームです。特にAIアプリ開発において、Vercelは以下のようなメリットを提供します。
- 簡単なデプロイ: 複雑な設定なしに、数クリックでアプリを公開できます。
- 自動スケーリング: アクセス数の増加に合わせて、自動的にサーバーの性能を調整してくれます。
- サーバーレス関数: バックエンドの処理を、サーバーを気にせずに実行できます。
- グローバルCDN: 世界中にコンテンツを配信し、高速な表示を実現します。
これらのメリットにより、開発者はAIモデルの構築やUIのデザインに集中でき、より効率的にAIアプリを開発できます。
2. 必要なもの:開発環境の準備
AIアプリ開発を始める前に、以下のものを準備しましょう。
- Node.js: JavaScriptの実行環境です。VercelはNode.jsをサポートしています。(推奨バージョン:16以上)
- npmまたはYarn: Node.jsのパッケージ管理ツールです。ライブラリのインストールや管理に使います。
- Vercel CLI: Vercelのコマンドラインツールです。ローカル環境からVercelにデプロイする際に使用します。
- テキストエディタまたはIDE: コードを書くためのツールです。Visual Studio Codeなどがおすすめです。
- Vercelアカウント: Vercelのプラットフォームを利用するために必要です。無料で登録できます。
これらのツールをインストールし、Vercelアカウントを作成したら、開発環境の準備は完了です。
3. AIモデルの選択とAPIキーの取得
AIアプリの中核となるAIモデルを選びましょう。ここでは例として、OpenAIのGPT-3(Generative Pre-trained Transformer 3)を使用します。GPT-3は、自然言語処理(NLP)タスクに優れた性能を発揮する大規模言語モデルです。
- OpenAIアカウントの作成: OpenAIのウェブサイトでアカウントを作成します。
- APIキーの取得: OpenAIのダッシュボードでAPIキーを取得します。APIキーは、あなたのアプリがOpenAIのAPIにアクセスするための認証情報です。
注意: APIキーは厳重に管理し、GitHubなどの公開リポジトリに公開しないように注意してください。環境変数(後述)を利用して、安全にAPIキーを管理しましょう。
4. Vercelプロジェクトの作成
Vercelで新しいプロジェクトを作成します。
- Vercel CLIのインストール: ターミナルで以下のコマンドを実行します。
- プロジェクトの作成: 任意のディレクトリで以下のコマンドを実行し、Vercelにログインします。
- プロジェクトの初期化: 以下のコマンドを実行して、新しいプロジェクトを作成します。
npm install -g vercel
vercel login
vercel init
プロジェクトの種類を選択するプロンプトが表示されるので、適切なものを選択してください(例:Create a new project
-> Next.js
)。
5. AIモデルとの連携:APIリクエストの実装
AIモデル(ここではGPT-3)と連携するために、APIリクエストを実装します。Next.jsのAPI Routesを利用して、バックエンドの処理を実装しましょう。
- API Routeの作成:
pages/api
ディレクトリに、API Routeのファイルを作成します(例:pages/api/generate.js
)。 - APIリクエストの実装:
generate.js
に、GPT-3にリクエストを送信し、レスポンスを返すコードを記述します。 - OpenAIApi: OpenAIのAPIを呼び出すためのライブラリです。
- process.env.OPENAI_API_KEY: 環境変数からAPIキーを取得します。
- openai.createCompletion: GPT-3にリクエストを送信します。
- generatePrompt: GPT-3に送信するプロンプトを生成します。
- 環境変数の設定: Vercelのダッシュボードで、
OPENAI_API_KEY
という名前の環境変数を設定し、取得したAPIキーを値として設定します。
import { Configuration, OpenAIApi } from "openai";
const configuration = new Configuration({
apiKey: process.env.OPENAI_API_KEY, // 環境変数からAPIキーを取得
});
const openai = new OpenAIApi(configuration);
export default async function (req, res) {
if (!configuration.apiKey) {
res.status(500).json({
error: {
message: "OpenAI API key not configured, please follow instructions in README.md",
}
});
return;
}
const animal = req.body.animal || ''; // リクエストボディから動物の名前を取得
if (animal.trim().length === 0) {
res.status(400).json({
error: {
message: "Please enter a valid animal",
}
});
return;
}
try {
const completion = await openai.createCompletion({
model: "text-davinci-003", // 使用するGPT-3のモデル
prompt: generatePrompt(animal), // プロンプトを生成
temperature: 0.6, // 生成されるテキストのランダム性
});
res.status(200).json({ result: completion.data.choices[0].text }); // 結果をJSON形式で返す
} catch(error) {
// Consider adjusting the error handling logic for your use case
if (error.response) {
console.error(error.response.status, error.response.data);
res.status(error.response.status).json(error.response.data);
} else {
console.error(`Error with OpenAI API request: ${error.message}`);
res.status(500).json({
error: {
message: 'An error occurred during your request.',
}
});
}
}
}
function generatePrompt(animal) {
const capitalizedAnimal =
animal[0].toUpperCase() + animal.slice(1).toLowerCase();
return `Suggest three names for an animal that is a superhero.\n\nAnimal: Cat\nNames: Captain Sharpclaw, Agent Fluffball, The Incredible Feline\nAnimal: Dog\nNames: Ruff the Protector, Wonder Canine, Sir Barks-a-Lot\nAnimal: ${capitalizedAnimal}\nNames:`;
}
コード解説:
6. ユーザーインターフェース(UI)の構築
ユーザーがAIアプリと対話するためのUIを構築します。ここでは、簡単なフォームを作成し、動物の名前を入力してGPT-3にリクエストを送信するUIを実装します。
- UIコンポーネントの作成:
pages/index.js
に、UIコンポーネントを作成します。 - useState: Reactのフックで、コンポーネントの状態を管理します。
- fetch: API Routeにリクエストを送信します。
- onSubmit: フォームが送信されたときに実行される関数です。
import { useState } from "react";
export default function Home() {
const [animal, setAnimal] = useState("");
const [result, setResult] = useState("");
async function onSubmit(event) {
event.preventDefault();
try {
const response = await fetch("/api/generate", {
method: "POST",
headers: {
"Content-Type": "application/json",
},
body: JSON.stringify({ animal: animal }),
});
const data = await response.json();
if (response.status !== 200) {
throw data.error || new Error(`Request failed with status ${response.status}`);
}
setResult(data.result);
setAnimal("");
} catch(error) {
// Consider implementing your own error handling logic here
console.error(error);
alert(error.message);
}
}
return (
<div>
<main>
<h3>動物の名前を入力してください</h3>
<form onSubmit={onSubmit}>
<input
type="text"
name="animal"
placeholder="例:猫"
value={animal}
onChange={(e) => setAnimal(e.target.value)}
/>
<input type="submit" value="名前を生成" />
</form>
<div>{result}</div>
</main>
</div>
);
}
コード解説:
7. Vercelへのデプロイ
作成したAIアプリをVercelにデプロイします。
- デプロイ: ターミナルで以下のコマンドを実行します。
- デプロイの確認: デプロイが完了すると、VercelからURLが提供されます。このURLにアクセスして、AIアプリが正常に動作することを確認してください。
vercel
8. まとめ:AIアプリ開発の次のステップ
この記事では、Vercelを使ってAIアプリを構築する基本的な手順を解説しました。
- VercelはAIアプリ開発に最適なプラットフォームである。
- OpenAIのGPT-3などのAIモデルを利用することで、様々なAIアプリを開発できる。
- Next.jsのAPI Routesを利用して、バックエンドの処理を実装できる。
- Vercel CLIを使って、簡単にアプリをデプロイできる。
次のステップとして、以下のことに挑戦してみましょう。
- より複雑なUIを構築する。
- 他のAIモデル(例:画像生成AI)を試してみる。
- データベースと連携して、データを保存する。
- ユーザー認証機能を実装する。
AIアプリ開発は、創造性と技術力を活かせる魅力的な分野です。Vercelを活用して、あなた自身のアイデアを形にしてみましょう!