XSS攻撃とは?初心者向けにJavaScriptの脆弱性を徹底解説!対策方法も紹介

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XSS攻撃とは何か?

XSS攻撃(クロスサイトスクリプティング、Cross-Site Scripting)とは、Webアプリケーションの脆弱性を利用して、攻撃者が悪意のあるスクリプトをWebサイトに注入し、ユーザーのブラウザ上で実行させる攻撃手法です。

XSS攻撃の種類

  • Stored XSS(ストアドXSS): 攻撃者がWebサイトのデータベースなどに悪意のあるスクリプトを保存し、他のユーザーがそのページを閲覧した際にスクリプトが実行される攻撃です。掲示板やブログのコメント欄などが悪用されることがあります。
  • Reflected XSS(リフレクテッドXSS): 攻撃者が悪意のあるスクリプトをURLのパラメータなどに埋め込み、ユーザーがそのURLをクリックした際にスクリプトが実行される攻撃です。検索結果ページやエラーメッセージなどが悪用されることがあります。
  • DOM-based XSS(DOMベースXSS): 攻撃者がJavaScriptなどのクライアントサイドのスクリプトを悪用して、DOM(Document Object Model)を操作し、悪意のあるスクリプトを実行させる攻撃です。

XSS攻撃は、Webサイトがユーザーからの入力を適切に処理しない場合に発生します。例えば、ユーザーが入力した文字列をそのままHTMLとして表示してしまうと、その文字列に悪意のあるスクリプトが含まれていた場合、ブラウザ上で実行されてしまいます。

<code><!-- 危険な例:ユーザーからの入力をそのまま表示 -->
<p>こんにちは、<?php echo $_GET['name']; ?>さん!</p></code>

上記の例では、nameパラメータに<script>alert('XSS')</script>のような文字列が入力された場合、アラートが表示されてしまいます。

XSS攻撃の危険性

XSS攻撃は、以下のような危険性をもたらします。

  • Cookieの窃取: 攻撃者は、XSS攻撃を利用してユーザーのCookieを盗み取り、Webサイトに不正にログインすることができます。
  • Webサイトの改ざん: 攻撃者は、XSS攻撃を利用してWebサイトの内容を改ざんし、偽の情報を表示させたり、悪意のあるサイトへ誘導したりすることができます。
  • フィッシング詐欺: 攻撃者は、XSS攻撃を利用して偽のログインフォームを表示させ、ユーザーのIDやパスワードを盗み取ることができます。

これらの被害は、ユーザーだけでなく、Webサイト運営者にも大きな損害を与える可能性があります。

XSS攻撃の対策

XSS攻撃を防ぐためには、以下の対策を講じることが重要です。

  • エスケープ処理: ユーザーからの入力をHTMLとして表示する前に、エスケープ処理(HTMLエンコード)を行い、スクリプトとして実行されないようにします。
  • 入力値の検証とサニタイズ: ユーザーからの入力値を検証し、不正な文字列が含まれていないか確認します。また、サニタイズ(無害化)処理を行い、悪意のあるスクリプトを取り除きます。
  • Content Security Policy (CSP) の導入: CSP(コンテンツセキュリティポリシー)は、Webサイトが読み込むことができるリソースを制限する仕組みです。CSPを導入することで、XSS攻撃による被害を軽減することができます。
  • フレームワークやライブラリの利用: 多くのWebアプリケーションフレームワークやライブラリには、XSS攻撃対策が組み込まれています。これらのフレームワークやライブラリを利用することで、XSS攻撃のリスクを低減することができます。

JavaScriptでのXSS対策

JavaScriptでXSS対策を行うには、以下の点に注意する必要があります。

  • innerHTML の危険性と代替手段: innerHTMLは、HTML文字列をDOMに挿入する際に使用されますが、XSS攻撃のリスクがあります。代わりに、textContentを使用するか、DOMPurifyなどのライブラリを利用することを推奨します。
  • textContent の利用: textContentは、テキストノードのテキストコンテンツを設定するために使用されます。innerHTMLとは異なり、HTMLとして解釈されないため、XSS攻撃のリスクを低減することができます。
  • DOMPurifyライブラリの紹介: DOMPurifyは、HTML文字列をサニタイズするためのライブラリです。DOMPurifyを使用することで、安全にHTML文字列をDOMに挿入することができます。
<code>// 危険な例:innerHTMLの使用
element.innerHTML = userInput;

// 安全な例:textContentの使用
element.textContent = userInput;

// 安全な例:DOMPurifyの使用
const cleanHTML = DOMPurify.sanitize(userInput);
element.innerHTML = cleanHTML;</code>

XSS攻撃のテスト方法

XSS攻撃の脆弱性をテストするには、以下の方法があります。

  • XSS攻撃のテストツール紹介: Burp SuiteやOWASP ZAPなどのセキュリティテストツールを使用することで、XSS攻撃の脆弱性を自動的に検出することができます。
  • ペネトレーションテストの実施: ペネトレーションテスト(侵入テスト)は、専門のセキュリティエンジニアがWebサイトに実際に攻撃を試み、脆弱性を発見するテストです。
  • セキュリティ診断サービスの利用: セキュリティ診断サービスを利用することで、専門家による詳細なセキュリティ診断を受けることができます。

XSS攻撃の最新動向

XSS攻撃は、常に進化しており、新しい手口が登場しています。セキュリティ研究者は、XSS攻撃の新しい手口を研究し、対策を開発しています。Webサイト運営者は、常に最新のセキュリティ情報を収集し、適切な対策を講じる必要があります。

まとめ

この記事では、XSS攻撃の仕組みから対策までを解説しました。XSS攻撃は、Webサイトのセキュリティを脅かす深刻な脆弱性であり、適切な対策を講じることが重要です。

  • XSS攻撃は、Webサイトに悪意のあるスクリプトを埋め込み、ユーザーのブラウザ上で実行させる攻撃です。
  • XSS攻撃には、Stored XSS、Reflected XSS、DOM-based XSSの3つの種類があります。
  • XSS攻撃を防ぐためには、エスケープ処理、入力値の検証とサニタイズ、CSPの導入などが有効です。
  • JavaScriptでXSS対策を行うには、innerHTMLの使用を避け、textContentを使用するか、DOMPurifyなどのライブラリを利用することを推奨します。

次のステップ

この記事が、Webサイトのセキュリティ向上に役立つことを願っています。