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1Password vs Dashlane 2026 — VPN 同梱か Developer 機能か、6 軸で選ぶ

1Password と Dashlane を 2026 年 5 月時点で料金・機能・セキュリティ設計・対応プラットフォーム・日本語サポート・法人機能の 6 軸で公平に比較。最終的にどちらを選ぶべきかを公式情報ベースで整理します。

約 11 分
1Password vs Dashlane 2026 — VPN 同梱か Developer 機能か、6 軸で選ぶ

「1Password と Dashlane、どちらのパスワードマネージャーを選ぶべきか」というご相談をよく頂きます。本記事では 2026 年 5 月時点の公式情報をベースに、料金・機能・セキュリティ設計・対応プラットフォーム・日本語サポート・法人機能の 6 軸で 1Password と Dashlane を公平に比較します。どちらも優れたツールですが、判断軸を整理すれば自分に合うほうが見えてきます。煽らず、公式ソースの脚注付きで材料を提示します12

1Password と Dashlane の立ち位置 (2026 年 5 月時点)

両者ともゼロ知識暗号化 (サーバ側でも復号できない設計) のパスワードマネージャーで、AES-256、Passkey、自動入力、ダークウェブ監視、ブラウザ拡張、各種 OS クライアントを揃えています12。安全性の土台に大きな優劣はなく、差は 「Developer/チーム運用に強い完成度」 vs 「VPN 同梱のオールインワン利便性」 という設計思想の違いに集約されます。

1Password の立ち位置

  • 完成度とエコシステムのリーダー: UI / UX の洗練度に定評があり、Watchtower (漏洩監視) や Travel Mode (国境通過時の Vault 隠し) のような細部機能が成熟1
  • Developer / エンタープライズ機能が厚い: SSH キー管理・op CLI・Secrets Automation (CI/CD 統合)・SSO 連携 (Okta / Azure AD / Google Workspace)・SCIM プロビジョニングが標準3
  • AI 時代のアクセス管理に投資: 2026 年 3 月に Unified Access (人・マシン・AI エージェントの認証情報を横断的に可視化・監査) を発表し、SaaS Manager で Claude / Cursor / ChatGPT Enterprise などの AI ツール棚卸しにも対応4
  • 本社: カナダ・トロント。サポート言語は英語中心 (日本語ヘルプは限定的)

Dashlane の立ち位置

  • オールインワンの利便性: Premium プランに Hotspot Shield ベースの VPN を同梱し、パスワード管理と VPN を 1 契約にまとめられる2
  • 分かりやすい UI と自動化: 直感的なダッシュボードと自動パスワード変更機能 (Password Changer) で、PC に詳しくない家族にも勧めやすい2
  • Passkey と Credential Intelligence に注力: 「World Passkey Day」キャンペーンを展開しパスキー普及を牽引、法人向けには Omnix™ プラットフォームで SSO 外のアプリも含む認証情報の可視化に振り切っている5
  • 本社: 米国・マサチューセッツ (旧フランス・パリ発)。プラン構成は Premium → Friends & Family とシンプル (恒久無料プランは廃止され、14 日トライアルのみ)6

X 上の温度感

1Password はゼロ知識の徹底をブラウザ・開発環境・AI エージェントにまで広げる方針を打ち出しています。マスターパスワードと Secret Key の 2 層構造を「現代の認証情報セキュリティに不可欠」と位置づける発信です1

「ゼロ知識はもはやパスワード保管庫だけの話ではない。ブラウザ・開発環境・あなたの代わりに動く AI エージェントにまで広げるべき非交渉的な前提だ」(原文の主旨: Zero-knowledge must extend to browsers, dev environments, and AI agents.)

一方の Dashlane はパスキー普及キャンペーンを積極展開し、フィッシング耐性のある認証への移行を前面に押し出しています。

「パスキーはフィッシングを構造的に防ぐ。World Passkey Day を機に、共有シークレットに頼らない認証へ移行しよう」(原文の主旨: Passkeys are phishing-proof; move beyond shared secrets.)

1Password と Dashlane の料金・機能・セキュリティ・対応プラットフォーム・サポートを 6 軸で比較したサマリーチャート
1Password vs Dashlane の 6 軸サマリー。Developer/チーム運用か、VPN 同梱の利便性かが判断軸

1Password を Bitwarden と比べた場合の「商用 SaaS vs OSS」という別の判断軸については 1Password vs Bitwarden 徹底比較 で整理しているので、OSS や無料プランも検討したい方はあわせてご覧ください。

料金比較 — 個人・家族・チーム

公式の年払いベースで並べると以下のようになります12。レートは執筆時点 (2026 年 5 月) の USD で記載しており、為替により円換算は変動します。

プラン1PasswordDashlane補足
無料なし (30 日トライアル)なし (Free プランは廃止、14 日トライアルのみ)6両者とも恒久無料プランはなし
個人Individual $2.99/月 (年払い、Watchtower 込み / 月払いは $3.99)Premium 約 $4.99/月 (年払い、VPN 込み)1Password は年払いが割安、Dashlane は VPN 同梱
家族Families $4.49/月 (年払い、最大 5 名 / 月払いは $5.99)Friends & Family 約 $7.49/月 (最大 10 名)人数が多いなら Dashlane が 1 人あたり安い
小規模チームTeams Starter Pack $19.95/月固定 (10 名まで)Business ユーザー連動課金少人数固定なら 1Password が有利
ビジネスBusiness $7.99/月/ユーザー (SSO・SCIM 込み)Business ユーザー連動 (Omnix 含む)機能セットで比較すべき

1Password の料金詳細 (年払い・月払いの差や日本での SourceNext 版との比較) は 1Password 個人 vs ファミリープラン徹底比較 でも整理しています。

「安さ」を額面通り受け取らない

個人プラン単体の月額換算で見ると、年払いの 1Password Individual ($2.99/月) のほうが Dashlane Premium (約 $4.99/月) より安価です。ただし Dashlane Premium は VPN を同梱するため、単体の VPN サービス (年 $40〜60 相当) を別途契約している人にとっては、その差額を取り戻せる実質的なお得感があります。すでに VPN を契約済み・VPN は不要という人にとっては、価格でも機能の標準装備でも 1Password Individual が優位です。1Password は Watchtower を標準で含み、ファミリープランの設計や Developer 向け機能まで含めた「全部入りの完成度」で価格以上の価値を出します1

価格改定の波は 2025〜2026 年に両社へ及んでいます。1Password は 2025 年 11 月以降の新規契約者には新料金が適用され、それ以前の既存契約者には早期に値上げ通知が出ました1。Dashlane も価格調整があり、いずれも「公式の最新ページで現在価格を確認する」ことが前提になります。

法人での実コスト

中小〜中堅企業 (10〜100 名規模) で計算すると、年間ライセンス費の差は機能セットによって増減します。1Password Business は SSO・SCIM・Secrets Automation を標準で含み、固定費の見積もりがしやすいのが特徴です。Dashlane Business は Omnix による「SSO 外アプリの可視化」を強みとし、シャドー IT の棚卸しに価値を見いだす組織には刺さります。額面の差より、自社が必要とする機能が標準で入っているかで TCO が変わります。

セキュリティ・コンプライアンスの比較

暗号化アーキテクチャ

項目1PasswordDashlane
暗号化方式AES-256-GCMAES-256
鍵導出PBKDF2-HMAC-SHA256 (高イテレーション)Argon2d
マスターパスワード以外の保護Secret Key (128bit) が端末側に保管され、サーバ漏洩でも復号不能デバイス登録キー (新規デバイス承認が必要)
ゼロ知識
ダークウェブ監視◯ (Watchtower / Have I Been Pwned 連携)◯ (リアルタイム警告 + 修復ガイド)

1Password の Secret Key は「マスターパスワードが流出した場合でも、サーバ側のデータだけでは復号できない」という点で、攻撃ベクトルが 1 つ多い分だけ堅牢性が高い設計です3。Dashlane もゼロ知識を維持しつつ、新規デバイスの承認フローと Argon2d による鍵導出で実用的な強度を確保しています。脅威モデルとして「認証情報の窃取シナリオを防ぐ」を最優先するなら 1Password の Secret Key 構造が一歩堅牢、「分かりやすい UX とリアルタイム監視」を重視するなら Dashlane が合います。

監査・準拠

両者とも以下を継続的に取得・公開しています37

  • SOC 2 Type II
  • ISO 27001 系
  • GDPR / CCPA (運用上の準拠)
  • 年次の第三者ペネトレーションテスト報告書

差はほぼなく、いずれも法人導入で要求される標準的なコンプライアンス要件は満たします。

機能・運用面の比較

共通機能 (横並び)

両者とも以下を備えており、機能の有無で差が出る場面は限定的です12

  • パスワード生成 (長さ・記号・覚えやすさのカスタム)
  • TOTP (2 要素認証コード) の保管
  • Passkey (FIDO2 / WebAuthn) 対応
  • 自動入力 (ブラウザ・モバイル)
  • ダークウェブ / 漏洩監視
  • セキュアノート / クレジットカード / 個人情報の保管
  • 各 OS クライアント (macOS / Windows / iOS / Android / 主要ブラウザ)

差別化機能 (どちらか片方に強みがある)

機能1PasswordDashlane
VPN 同梱×◯ (Premium に Hotspot Shield ベース)
自動パスワード変更×◯ (Password Changer)
SSH キー管理 + Git 署名◯ (op CLI)×
Secrets Automation (CI/CD 統合)×
Travel Mode (Vault 隠し)×
Linux ネイティブアプリ△ (Web / 拡張中心)
SSO 外アプリの可視化△ (SaaS Manager)◯ (Omnix™)

1Password の Passkey や SSH キー管理の運用設計 は別記事でも触れていますが、Developer 寄りの機能 (CLI・SSH・CI 連携) は 1Password に明確な強みがあります。逆に、パスワード管理と VPN を 1 つにまとめたい、自動でパスワードを変えたい、という利便性では Dashlane が一歩前に出ます。

Dashlane は法人向けで「SSO の外にあるアプリ」の可視化に振り切っており、Omnix™ で約 37% に上るとされる SSO/MFA 管理外のアプリ (レガシー業務システム・パートナーポータル等) の認証情報を中央管理する方針を打ち出しています。

「企業アプリの約 37% は SSO/MFA の管理外にある。Omnix はその"可視性ギャップ"を埋め、保管庫の内外を問わず認証情報を保護する」(原文の主旨: ~37% of enterprise apps sit outside SSO/MFA; Omnix closes that visibility gap.)

運用負荷とサポート (日本語含む)

  • 1Password: SaaS のみでサーバ運用は不要。ヘルプドキュメントは充実しているが一次サポートは英語中心で、日本語ヘルプは項目が限定的。日本では SourceNext 経由の購入で日本語の窓口を補える
  • Dashlane: 同じく SaaS のみ。UI は分かりやすく、自動パスワード変更などのオンボーディング支援が手厚い。日本語 UI には対応するが、サポートはチケット中心
  • 共通: どちらもクラウド前提のため、TLS 証明書や OS パッチを自前で抱える必要はない
1Password と Dashlane の選定フローチャート: Developer志向・VPN必要性・チーム規模・家族人数別の判断分岐
Developer志向か→VPNが要るか→チーム規模→家族人数の順に判断分岐する選定フローチャート

ユースケース別の選び方

個人ユース (1 人で完結)

  • VPN もまとめて 1 契約にしたい / 自動パスワード変更が欲しい → Dashlane Premium
  • UX とエコシステムの完成度、Watchtower を重視 → 1Password Individual
  • 3 年単位で固定したい・為替リスクを切りたい (日本) → SourceNext 経由の 1Password 3 年版

家族・パートナー共有 (2〜10 人)

  • 大人数 (6〜10 名) で 1 人あたり単価を下げたい → Dashlane Friends & Family (最大 10 名)
  • 5 名以内で UX・Passkey 運用・サポートに投資 → 1Password Families (最大 5 名)

Developer / 技術チーム

  • SSH キー管理・CLI・CI/CD シークレット連携が必須 → 1Password 一択に近い。op CLI と Secrets Automation の成熟度が抜けている3
  • VPN とパスワード管理をチームでまとめたい → Dashlane Business も選択肢

中規模以上の社内導入 (30 名以上)

  • SSO・SCIM・Secrets Automation を全部使いたい、固定費で見積もりたい → 1Password Business。Business プランの選び方は 1Password Business プランの選び方 でも整理しています
  • SSO 外アプリの可視化・シャドー IT 棚卸しを最優先 → Dashlane Business (Omnix)

Dashlane から 1Password への移行手順

選んだ後の乗り換えも難しくありません。Dashlane → 1Password の手順は以下の通りです。

  1. Dashlane の Web アプリから CSV エクスポート (パスワード + セキュアノート)
  2. 1Password の Import で「Dashlane」または汎用 CSV を選択してアップロード
  3. TOTP シードキーの整合を確認 (取り出せない TOTP は再登録が必要)
  4. 添付ファイルは個別ダウンロード → 1Password 側で再添付

他社からの移行では、1Password の引っ越しサポート を利用すると、Dashlane の未消化サブスク期間を 1Password 側が一部負担してくれる場合があります8。乗り換え時の契約重複コストを気にせず移行できるので、検討中の方は申請してみる価値があります。逆方向 (1Password → Dashlane) も CSV エクスポート / インポートで対応でき、両方向とも所要は 30 分〜2 時間程度です。

まとめ — 判断軸の整理

最後に判断軸をまとめます。総合力とエコシステムの完成度で選ぶなら、1Password が 2026 年時点でも堅実な第一候補です。

  • Developer / 技術チーム → 1Password (SSH・CLI・Secrets Automation の成熟度が決定打)
  • VPN もまとめたい / 自動パスワード変更が欲しい個人・家族 → Dashlane (オールインワンの利便性)
  • 大人数の家族 (6〜10 名) → Dashlane Friends & Family が 1 人あたり安い
  • 少人数チーム・固定費で見積もりたい法人 → 1Password (Teams Starter Pack / Business)
  • SSO 外アプリの可視化を最優先する法人 → Dashlane Business (Omnix)
  • 乗り換え検討 → 1Password の引っ越しサポートで既存ライセンス費用の一部負担を受けられる可能性あり8

両者とも安全性の土台は同等です。「VPN や自動化のオールインワン性を取るか、Developer/チーム運用の完成度を取るか」で決まります。迷ったら、まず 1Password の無料トライアルで UX とエコシステムを確認し、VPN 同梱や自動パスワード変更が決め手になるなら Dashlane を試す、という二段階で実際の運用感を確かめるのが手堅い進め方です。


※情報は 2026-05-31 時点の内容です。最新情報は公式サイト (https://1password.com/jp/pricing, https://www.dashlane.com/pricing) をご確認ください。

※本記事には PR を含みます。

Footnotes

  1. 1Password 公式 料金ページ: https://1password.com/pricing 2 3 4 5 6 7 8

  2. Dashlane 公式 料金ページ: https://www.dashlane.com/pricing 2 3 4 5 6

  3. 1Password Security Design (ホワイトペーパー): https://1passwordstatic.com/files/security/1password-white-paper.pdf 2 3 4

  4. 1Password Unified Access (人・マシン・AI エージェントのアクセス管理): https://1password.com/product/unified-access

  5. Dashlane セキュリティ / Omnix プラットフォーム: https://www.dashlane.com/security

  6. Dashlane Free プラン廃止に関する FAQ (公式サポート): https://support.dashlane.com/hc/en-us/articles/28150025262098-FAQ-about-the-Dashlane-Free-plan-discontinuation 2

  7. 1Password 監査レポート一覧: https://support.1password.com/security-assessments/

  8. 1Password Switch Program (他社からの乗り換え支援、既存ライセンス費用一部負担): https://1password.com/switch 2

よくある質問

UX の洗練度・Developer 向け機能 (SSH キー管理、CLI、Secrets Automation)・クロスプラットフォームの安定性を重視するなら 1Password が無難です。一方、VPN を 1 つの契約にまとめたい・自動パスワード変更や Omnix によるアプリ可視化に魅力を感じる・分かりやすい UI で家族に勧めたいなら Dashlane も有力です。Developer・チーム運用なら 1Password、オールインワンの利便性なら Dashlane、というのが 2026 年時点の現実的な棲み分けです。

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